交 通 事 故
何が請求できるのか
普段は人ごとだと思っている交通事故。しかし、誰の身にも起こりうることです。もし、起こってしまったら?
1.事故発生
何はさておき、必ず警察に連絡を!決してその場で示談交渉などするべきではありません。特にあなたが完全に被害者の場合は要注意。相手は(特に悪質なやつは)なんとかその場を取り繕い、適当に済まそうとするものです。いいですか、その場では何の約束もしないこと。必ず守ってください。
2.連絡
警察に連絡したら次は自宅と、お勤めなら勤め先に連絡を入れておきます。もちろん通勤途中とか勤務中の場合ですよ。まるっきりプライベ−トのときに連絡する必要はありません。もし、あなたが飲酒運転なら話は違いますが。
忘れてならないのは保険屋さんに連絡すること。保険屋さんのデスクは365日、24時間態勢で待機しています。保険屋さんと事故について話をしたら保険屋さんは相手の人と代わってくれと言います。そして相手の人に必要なことを聞いたらとりあえずそこで終わりです。
3.記録
物損だけの場合はこれで終わりです。警察も引き上げるでしょう。相手方と連絡先の交換をして別れます。しかし、その後も当事者同士で示談交渉をするのはやめてください。話がこじれるだけです。当面は保険屋さん同士で話が進んでいきます。
しかし、後日のために事故車両と周辺の様子を写真に撮っておきます。後のためにもぜひ行ってください。車にデジカメを積んでおくのがいいでしょうが携帯のカメラ機能でも十分です。
4.救急車
怪我がなきゃいいんですが、どこか少しでも痛かったら最初の段階で救急車を呼んでもらいます。自分で呼べたら自分で、できなければ周囲の人に頼みます。
変に我慢したりしないで基本的には救急車を呼んでもらうのがいいと思いますよ。後付で痛いとか、実は怪我していたんだとか言うと場合によっては信用されなかったり誤解されたりで面白くありません。
5.保険屋さん
保険屋さんは会社とその担当者にもよりますが、基本的には
保険屋さんは金を払いたくない
ということを忘れてはなりません。保険屋さんはできる限り保険金を払いたくないのです。保険金不払いの事件を聞いたことがあるでしょう。本当に良くしてくれる保険屋さんもいますが基本は前述のとおりです。
6.物損
物損の場合はかなり判例が確立されているのでそうそう覆りませんが前述のように保険屋さんは金を払いたくないので交渉の余地はあります。自分の保険屋さんとよく相談の上、納得して示談しましょう。
もし、あなたが100%被害者なら(追突などの場合)あなたと相手方の保険屋さんの直接交渉となります。あなたの加入している保険屋さんは代理してくれません。相談にはのってくれる場合もありますが。自分の懐が痛まないので関係がないのです。
この交渉は大変です。ほとんどのケ−スが保険屋さんの言いなりになってしまいます。しかし、納得がいかなければ専門家に相談してください。
7.人身
人身の場合はまず自賠責保険が適用されます。相手がどんな任意保険に入っていようが関係ありません。自賠責保険は法律で定められたものなのでしっかりしているだろうと思いきや必ずしもそうではないのです。前述のように保険屋さんは金を払いたくないので自社の支払いを回避するべく、自賠責保険によって担保される範囲のみに補償を抑え込むことが行われる場合もあります。この場合対応する保険会社は、自賠責・任意保険を合わせた一括請求の形を採ることが多いことから、被害者はそのような欺瞞があったことにすら気付かない場合がよくあるのです。被害者であるあなたは何が請求できるのかをしっかり把握しておくことが大切です。
たとえば傷害による損害の場合(支払限度額120万円
損害項目 内容 支払い基準
治療費 診察料・入院料・投薬料・手術料・柔道整復等の費用等 必要かつ妥当な実費
看護料 入院中の看護料(原則として12歳以下の子供に近親者が付き添った場合) 1日につき4100円
自宅看護料または通院看護料(医師が看護の必要を認めた場合または12歳以下の子供の通院等に近親者が付き添った場合) 必要かつ妥当な実費
近親者は1日につき2050円
諸雑費 入院中の諸雑費 原則として入院1日1100円
義肢等の費用 義肢・歯科補てつ・義眼・眼鏡・補聴器・松葉杖等の費用 必要かつ妥当な実費
眼鏡の費用は50000円が限度
文書料 交通事故証明書・被害者側の印鑑証明書・住民票等の発行手数料 必要かつ妥当な実費
休業損害 事故による傷害のために発生した収入の減少(有給休暇を利用した場合、家事従事者の場合を含む) 1日につき原則5700円
これ以上に収入減の立証がある場合には19000円を限度として実額
ただし、雇用形態によっては上記を下回る場合あり
慰謝料 精神的・肉体的な苦痛に対する補償 入通院1日につき4200円

後遺障害による損害は被害者1名につき1級(3000万円)〜14級(75万円)を限度として、死亡による損害は被害者1名につき3000万円を限度として支払われます。また、介護が必要な場合は常時、随時によって変わります。
8.重大な過失
被害者側に重大な過失があった場合、過失割合によって損害額から減額されて支払われます。受傷と死亡、受傷と後遺障害との間の因果関係の判断が困難な場合も50%減額されることがあります。
9.調査機関
自賠責保険は損害保険料率算出機構自賠責損害調査事務所が損害調査を行っています。具体的には請求書類に基づいて、事故発生の状況・自賠責保険の対象となる事故かどうか・発生した損害の額などを公正かつ中立な立場で調査します。
ただし、支払いに関する最終決定は保険会社が行います。
10.不服
もし決定に不服があった場合は保険会社に異議申し立てをします。それがさらに不服だった場合は公的な裁判外紛争処理機関として(財)自賠責保険・共済紛争処理機構が設置されています。
しかし、経験上なかなか不服審査は難しいと言わざるを得ません。
11.限定外


たとえば家族限定、35才未満不担保の任意保険に入っている車を若い友人に貸したとしたらどうでしょうか。その人がもし人をはねて死亡させてしまったら?あるいはどこかの民家に飛び込んで塀や建物を壊してしまったら?
自賠責の部分は別として任意保険では損害は担保されません。それどころか車を貸したあなたも損害賠償責任が回ってきます。
車は人には貸さない、というのが一番なようです。