勝田マラソン2000


目次

  1. プロローグ
  2. トレーニング
  3. 結団式
  4. スタート
  5. ゴール
  6. 打ち上げ会
  7. おわりに


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1.プロローグ

究極のレースと言われる日本山岳耐久レースで自信(?)をつけた我々は、次のステップとして勝田マラソン完走を目指すことにしました。もちろん、フルマラソン。42kmです。同じチーム名のもとに、参加者は10名あまり。女性陣では美恵子さんと玲子さんが初エントリーです。

11月末の締め切りギリギリに申し込み、お正月の幕の内もあけた1月中旬、やっと準備にとりかかりました。それまでは全くトレーニングらしきもの無しで、例によってぶっつけ本番です。

長距離走については、有名な「奥村の法則」というものがあります(ほんとかよ)。

第一法則:人間は走ったことのある距離しか走れない

第二法則:人間(凡人)が1ヶ月間に走れる距離は有限である

この法則に照らせば、毎日5kmずつ走って練習してもフルマラソンの完走は困難です。かえって第二法則で言うところの有限な距離を無駄に使ってしまい、本番では疲れが早く出てきてしまいます。最も良い方法は、1ヶ月くらい前に30kmくらいの距離をゆっくりと試走してみることです。

普段から鍛えている人でも、初めて長距離に挑戦すると20kmくらいで足が進まなくなります。それを乗り越え、歩いてでも、這ってでも良いから30kmを完走した貴方は、本番では30kmくらいまで走れる筈です。後の12kmは気力でいけますから、間違いなく歓びのゴールを味わうことができるでしょう。

試走会は、山方町から東海村までの片道で行いました。このコースは、田園地帯を走るコースで、以下のような利点があります。

1)殆ど全コース、歩道があって安全
2)アップダウンが少なく、全体としてはごく緩やかな下り坂
3)車や人の通行量が少なく、景色も良い
4)人家も少ないので途中でのリタイア不可能

ただ、道順がわかりにくいのが難点で、数年前に参加した岡本くんはコースを間違えて50kmくらい走ってしまったくらいです。特に、下の地図の丸印のコーナーが間違えやすく、注意が必要です。東海村から山方町に行く途中で、各コーナーには地面に矢印をつけると同時に5kmおきにマークをしますが、いま一度、地図で確認が必要でしょう。

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東海村のゴールは一旦、我が家に入り、シャワーを浴びた後に、結団式が開かれる「とと家」に向かいます。そこが本当のゴールになります。つまり、早くゴールした人から順に「とと家」でビールが飲めるという訳です。


2.トレーニング

1月某日、山方町から東海村までの30kmの片道コースを使って試走会を催しました。選手は右写真の9名。他に、二台の車と三人のサポーターを配しました。

天気予報によれば曇り時々晴れ。写真のように青空は殆ど見えませんが、天気は回復の傾向にあるということを信じてスタートしました。ところがスタートするなり、空は一面の雲で覆われ、30分もしないうちにポツンポツンと雨粒が落ちてきました。

「おいおい、話がちがうじゃない」
「雨が降ってきたら止めようね」
「でも、サポーターは最初の1時間半は喫茶店でお茶を飲んでるって」
「我々も喫茶店によろうか」

などと、軟弱なことを言いながら15kmポイントを通過。そろそろ足に違和感を覚える頃、本格的に雨が降ってきました。ところが15kmポイントのあたりは地図でみるように、田圃の中の一本道。雨宿りするところもありません。

ずぶぬれになって重い足をひきずっていると思考力が無くなってきます。やっとサポーターが来て「だいじょうぶ?リタイヤする?」と聞かれても、もう機械的に走るだけになってしまいました。

20kmポイントを通過した頃には、意地になって走っていました。ただ、足の方は進みません。歩幅が小さくなり、走っているのだか、歩いているのだか...

トップは超人、前川さんで2時間あまり。他の凡人メンバーは、3時間半から4時間半でゴールしました。ゴールの後、シャワーを浴びて、居酒屋「とと家」へ。サポーターや家族も交えて20人ほどで夜遅くまで騒ぎました。これだけの元気があれば、本番でも大丈夫かな。


3.結団式

当初の予定では、試走会の後、結団式を行う予定だったのですが、乾杯の後そのまま宴会モードに突入してしまい、カラオケボックスまで一気にいってしまいました。何かを相談したかもしれませんが、誰も記憶に残っていません。

そこで改めて結団式を行うことにし、2月某日、東海村の酒選房に集合しました。本番でサポーターをお願いしている保子さん、榊さんの奥様、朋美さん、ひろみさんも参加しました。ただ、栗山さんは米国でラスベガスマラソン参加中、美恵子さんは剣道の合宿中、秋場さんはドイツのミュンヘンで腹痛中(勝田マラソン参加は絶望的?)、前川さんはスキー旅行中で参加できませんでした。

結団式では、団員の決意を新たにし、完走のための作戦を練る予定でした。ところが、たまたまロシアみやげのキャビアがあったのでフランスパンを特別に頼み、それに合うワインを何本かあけ、そしてそのワインに合う料理や酒を重ねるうちに、本来の趣旨を忘れてしまうところでした。おっと。

さらに詳細な作戦を練るために、全員で二次会になだれ込み、カクテルを何杯もおかわりしつつ検討を重ねた結果、以下のことが決まりました。

1.メンバー専用の補給(応援)ポイントを3カ所に設置する
2.第1補給ポイントは、17km地点、原研通りの荒谷台住宅前、保子さん担当
3.第2補給ポイントは、24km地点、佐和の常陽銀行前、榊夫人担当
4.第3補給ポイントは、34km地点、勝田ゴルフクラブ前、ひろみさんと朋美さん担当
5.全員、携帯電話をもって走り、リタイア時には以降の補給ポイントサポータに連絡する

小栗さんは、インターネットを使って独自に調査を進め、勝田マラソンのために1万5千円のタイツを購入しました。ワコール製のCW-Xというも ので、筋肉痛や膝の痛みの軽減に絶大な力を発揮するようです。小栗さんによれば、プロのマラソンランナーや登山家にとって、このタイツは「標準品」とも言うべき品物だそうです。多くのマラソン体験記に記述があり、このタイツなしに新記録達成はおぼつかないというのです。この新兵器についても検討したのですが、キャバクラで女の子に自慢した以外は、大した結論は出ませんでした。

あと、各補給ポイントを通過する時間をメンバー毎に見積もりました。右図がその予想時間ですが、さあどうなるでしょうか...


4.スタート

2月11日。すっきりとした青空が広がり、絶好のマラソン日和です。受付時間に遅れないように早めに東海村を出発し、定刻前に受付を済ませました。今回はJCOの事故の影響で東海村を走るフルマラソンの参加者は激減したそうです。それでも勝田市内は準備体操や試走をしている人たちでいっぱいです。こんなに準備運動をして疲れてしまわないのでしょうか。我々は本番に力を残すため、ひたすら体力を温存していました。

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スタート5分前。今回が初マラソンとなる、玲子さん、智くん、谷やん、卓ちゃんには緊張の色が見えます。小栗さんもジャージを脱いでタイツ姿(ワコール製のCW-X)になりました。


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第1補給ポイント(17km)に到着。谷やんと一緒にポーズをとります。前の日に夜なべをして作った「のぼり」も 風に翻ってなかなかのものです。


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第3補給ポイント(34km)付近の美恵子さんと榊くん。


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第3補給ポイントでくつろぐ卓ちゃん。なかなか調子が良さそうです。


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5.ゴール

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トップはもちろん超人、前川さん。3時間6分という想像を絶するタイムだったそうです。次に4時間40分という好タイムで小栗さんが入りました。その他はほぼ予想時間の通りです。5時間58分という、ゲート閉鎖時間ぎりぎりに飛び込んできたのは智くんでした。

ゴール後、みんなで記念撮影。スタート前の緊張した顔つきと比べると、充実感のある笑顔です。智くんの顔が白いのは、吹き出した汗が乾いて塩をふいているからです。


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当初の目標であった、6時間以内完走を果たした智くんは、得意満面です。お得意のポーズで1枚。


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今回、こんなに気持ちよく走れたのも、サポーターのおかげです。第3補給ポイントを担当してくれた、朋美さんとひろみさん。どうもありがとうございました。


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榊さんも奥様とVサイン。
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谷やんは残念ながらゲート閉鎖時間を少しオーバーして帰ってきました。

ゴール前、30mで最後の補給(必要なのか?!)を受ける谷やんです。


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更に、谷やんに遅れること10分。最後に玲子さんが帰ってきました。最初の20kmくらいまでは調子が良かったのですが、それから足が痛くなり、店に飛び込んでサポーターを買っている間に智くんと谷やんに抜かれたと、とても悔しがっていました。


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以前は、6時間を過ぎると完全にゲートが閉まっていたのですが、計測チップを回収するために6時間以降も計時してくれます。応援の人もまだ残っていて、気持ちよくゴールできます。これで、今回はメンバー全員、完走です。


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6.打ち上げ会

私が初めてフルマラソンを走った時に、ゴール後にただ思うことは「早く風呂に入って、ゆっくり眠りたい」ということでした。スタートする前は「終わったら、打ち上げ会をやって、ビールをたらふく飲んで」などと思っていたのですが、そんな余力はありませんでした。そういう余裕は、何度かマラソン出場を繰り返すうちに、出てくるのかも知れません。

今回が初マラソンとなる面々も、走り終えたという充実感は見られるものの、打ち上げ会に向かう強い意欲は感じられませんでした。「また、別の機会に」という提案のまま、帰り支度を始めました。

一方、何度もフルマラソンを走っている小栗さんは、「ビールを飲むために走ったのに...」と不満顔です。今回は、自己最高記録をマークして祝杯をあげたい気分なのでしょう。仕方ないので、全体の打ち上げ会はまた別途ということで、反省会を開くことにしました。メンバーは、元気な小栗さん、3時間完走後にずっと寮で待機していた前川さん、あと、榊、奥村、サポーターのひろみさんと朋美さん。夜7時に東海村の居酒屋に集まりました。

着座するなり「ナマ大!」の連呼です。ゴール直前から水気を取るのを我慢し、帰宅途中も、そして風呂に入った後もひたすら我慢して、生ビールに備えたのです。こうして飲むビールの美味しいこと。スポーツをした後の醍醐味でしょう。

反省会では、今回のレースの総括をしました。初マラソン全員が完走したという成果は勿論ですが、今回のトピックスは何といっても小栗さんの新兵器、ワコール製のタイツCW-Xでしょう。ミレニアム記念のコスモプリントという派手なモデルで、小栗さん自身も「少し恥ずかしい」と言っていたのですが、その効果は絶大だったようです。

小栗さんによれば、適度な締め付けがあり、筋肉の無駄な振動を抑えているためか、30kmを過ぎても足が痛くならなかったとのこと。現に、今まで破れなかった5時間の壁を易々と破ったばかりか、足の痛みなどの後遺症が格段に少ないというのです。人間工学的に良く考えられているのでしょうか。今年の山岳耐久レースに向けて、大きな検討課題となりました。


7.おわりに

東海村でのJCOの事故の影響もあって、今回の勝田マラソンの参加者は激減したといいます。若い世代のマラソン人口も減っているのかもしれません。歴史のあるレースといえども、座して待つだけでは参加者数の増加は難しのではないでしょうか。私たちも、今回は勝田マラソンに参加しましたが、来年、もう一度出場するかと聞かれれば???です。どうせ出場するなら、ホノルルマラソンなどの方がずっと楽しそうですから。

そこで、提案です。もっと楽しいマラソン大会とするために、
1) コースを変える
2) 仮装部門をつくる
のはどうでしょうか

コースについては、せっかく海浜公園や運動公園が整備されたのです。海沿いの風光明媚なコース取りも可能なのではないでしょうか。交通渋滞などの影響も少なくてすみます。

また、仮装部門も是非、考えてもらいたいものです。コスプレ部門、動物部門、ハイレグ部門など、審査員の採点とタイムで特別賞を与えるのです。市民マラソンはいわばお祭りです。自己鍛錬のために出場する真面目な参加者もいても結構ですが、その他にも、みんながもっと楽しめるレースを目指すべきでしょう。もし、仮装部門が設けられれば、我々は喜んで趣向を凝らした衣装で参加しましょう。衣装の重さに耐える余裕を備えるべく、もっと鍛錬を積んで。(ボクは、ハイレグ部門の審査員になってもいいです−)


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