
僕は昔から・・・勿論今でも絵本が好きです。
外国では「絵本」といえば親が子供に読んであげるもの、というのが常識らしい。
日本でも意外と親に子供の頃絵本を読んでもらった記憶があるって人は多い。
でも、僕にはそういう記憶がない。だから今でも人に絵本を読んでもらうのが好き。
読んであげるのも好きだなぁ。そもそも「絵本」というものが好きだからなのさ。
今まで何冊も絵本を読んだけれど、どうしても忘れられない絵本がひとつだけある。
「のらねこはなかない」というタイトルで、15年ぐらい前幼稚園児だった妹が持っていた。
当時、その幼稚園では一人1冊ずつ毎月買っていた(?)絵本があって、その中の
1冊だった。本を読むのが好きだった僕は妹から取り上げて全部読んだ筈だが
どうしてもこの1冊だけは忘れられない。そして未だに想い出しては涙してしまう。
話は仔猫が捨てられて泣いていたら、野良猫がやってきて「のらねこはなかない!」
って、どなりつけるところから始まる。それから毎日仔猫はその野良猫について歩く。
野良猫の逞しさを教えてくれる。野良猫の生き方を夢を楽しみを教えてくれる。
その厳しさについていけない仔猫は良く泣いたけれど、その度に野良猫は
「のらねこはなかない!」って言うのが口癖だった。
それでも仔猫は時々飼い猫を見て羨ましがっていた。
そんなある冬の日、野良猫は食料の調達に、仔猫はベンチの下で眠っていて、
通りがかりの女の子に拾われた。そして暖かいミルクに暖かい部屋で仔猫がふと
目を覚ますと、窓の外で野良猫が雪にさらされていた。
野良猫は「拾われてよかったな」と言って、雪の中に消えていった。
仔猫は窓を開けようとしたが、カギがかかっていてどうにもできなかった。
そして、仔猫の耳に野良猫の口癖だった「のらねこはなかない」って言葉が
こだましていた・・・・・・・。という話。
・・・って、思い出しながら書いてて、思わずまた泣いてしまった。
子供心に凄く心をうたれた絵本だった。「のらねこはなかない」
僕に「人にばかり頼っては駄目だ」ということ、「泣いていても何も始まらない」
ということ、そして・・・「時には自分から立ち去ることの必要性」を教えてくれた。
僕が「都会の野良猫」と自称するのはいろいろ理由があるけれど、たぶん
この絵本もその理由のひとつに入ると思う。
絵本の中の「野良猫」のように強くなりたかった。逞しさがほしかった。
僕自身も何か辛い事があったり、苦しかったり悲しかったりしても、泣く事を
許されない場所に居た時、自分に「のらねこはなかない」と言い聞かせた。
そしていつからか、笑えるようになれた。強くなったのか弱くなったのか・・。
自分の事をどこまでわかっているのかも解らないし、これからどうなるのかだって
当然、知ることはできない。
けれど、
これからも、僕の心の中にもずっと野良猫の言葉は響き続けると思う。
